ぱく、と食べたアイスは口の中でぱちぱち弾けた。

 

頬を緩ませれば、イーヴィルさんが言う。

 

 

 

「子供(ガキ)」

 

 

「アイスは皆の味方です」

 

 

 

胸を張って言えば、イーヴィルさんの目の中で、可笑しそうに光がちらついた。

 

イーヴィルさんはあまり笑う人ではないけれど、最近ちょっとした表情の変化に気がつけるようになった自分が誇らしい。

いつか、イーヴィルさんや麻桐さんの気持ちがわかるようになれば良いな、と思う。

 

私は、白とライトグリーンのマーブル模様を振ってみせた。

 

 

 

「本当に美味しいんですよう」

 

 

 

へえ、と彼は一口さらっていく。

 

何気無く口に含んだ瞬間の、イーヴィルさんの表情は忘れられない。

 

 

 

「ぅわッ!!??」

 

 

 

口を押さえて飛び上がる彼を見て、私は思わずけらけらと笑いこけた。

そうなることは充分に予想していたのだ。

 

周りの手前、彼はすぐさま普通のていを装って歩いた。

が、イーヴィルさんの視線が重圧となって私に降り注いでいるのがわかる。

 

 

 

「てめぇ……」

 

 

 

地の底から上がってくるような声に、私はうひゃあ~~…と頭を庇った。

 

 

 

「今流行りの、口の中で弾けるポップフレーク入りですよう」

 

 

「~~……」

 

 

 

隣を見上げると、徐々に体温を上げるイーヴィルさん。

顔を片手で覆う彼はきっと、自分の先程の反応を思い返しているのだと、……そう思った。

灰色の髪からちょっぴり見える彼の耳は赤い。

 

私は真面目な顔でこう言った。

 

 

 

「もう一口如何ですか」

 

 

「いるかッ!」

 

 

 

怒られたのは当たり前。

 

 

 

 

 

 

Funny pop ice cream!

 

(麻桐の影響だな、ラビ)

 

(何の話ですか、イーヴィルさん)